2014年3月8日土曜日

音楽は音楽

恋はスリル、ショック、サスペンス。
ロック界の平松愛里の称号をいただきました、YOKです。

おれの旧友に少し変わった奴がいます。
嫁の実家に同居しているマスオさん状態の家庭的な男で、便宜上ここでは彼をK・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーと呼ぶことにします。
 
K・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーは、某有名大学在籍時は役者を目指して活動していましたが、結局役者の道をあきらめて某シンクタンクに入社したという変り種です。
また、子供の頃からピアノを嗜むものの、高校の頃にセロニアス・モンク(アメリカのジャズピアニスト。R.I.P.)という毒にあたってビバップ(ジャズの一形態、即興演奏)に夢中になり、しかし発表する場がないので、同級生が作ったパンクバンドでベースを弾いていたという曲者です。
 
以前、久しぶりにこのK・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーが帰省した時に話した内容が印象的だったので、今日はその時のことを書きたいと思います。

一番なりたかったのは役者で、その次がミュージシャンだったのに、お堅いシンクタンクの研究員になってしまったK・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーは、それでも絶対に今の仕事が向いていると言える思考回路の持ち主で、恐ろしく頭が切れる男です。
休日には自宅でピアノを弾き、会社の仲間とジャズバンドを組んでみたもののモンク風に弾くと嫌われるので、本意ではないスタイルでやっているそうです。
そして数年前にチェロを親戚から貰い、公民館で地域の人と四重楽奏をやっているんだとか。
そのアクティブさには恐れ入ります。
K・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤー曰く、「芝居は趣味にしにくいけど、楽器は手軽だから」ということだけど、よもやアラサーの男がチェロを貰って数年で四重楽奏をやっているというスキルも見事。
 
K・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーの凄いところは、「おれの中でレナード・バーンスタインとPerfumeは同じ」と断言し、「聴いても演奏しても歌っても、音楽は楽しめればそれでOK」というシンプルな原則だけで音楽と接していること。
クラシック仲間から「どうしてPerfumeみたいな子供っぽいのが好きなの?」と訊かれると、「下手糞なオーケストラよりも楽しいし、売れてるから国に助成金を頼む日本のクラシック音楽よりも遥かに健全」と返し、ジャズ仲間から「パンクなんかうるさいだけじゃないか」と言われれば、「パンクでしか表現できない感情もある」と反論しました。
 
K・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーによると、ジャズ仲間にしてもクラシック仲間にしても、違うジャンルの音楽を聴く人が少なくて、例えば両者ともロックやポップなどのジャンルは演奏力や歌唱力がないと思い込んでる人が結構いるそうです。
そこでK・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーは、そういった人たちに違うジャンルの音楽を聴かせてみることを試しました。
 
例えば、ラリー・カールトン(ジャズ/フュージョンのギタリスト)を聴かせてみると、クラシック仲間にも好評だったらしい。
さらにG3(ジョー・サトリアーニがスティーブ・ヴァイ、エリック・ジョンソンを招いて行なったツアー)は爆音のロックですが、クラシック仲間からもジャズ仲間からも「確かにこれは凄い」と感心されたと言っていました。
興味深いのは、G3を初めて聴いたジャズ仲間たちは最初に演奏テクニックに反応する人が多く、クラシック仲間たちはアンサンブルの巧みさに反応する人が多かったこと。
これはやっぱり自分がやってる音楽を基準にするからなのかな。
 
「演奏力がある人だと、ジャンルが違っても演奏力の高さは理解できる。でも、演奏力もないし音楽理論もわかってない人が先入観で下手だと思ってると、何を聴かせても無駄」とK・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーは言います。
そして「後者の方が多い気がする」と続けました。
「ポップしか聴いてない人は、クラシックでも震えるような興奮があることを知らないし、クラシックしか聴いてない人は、ポップスでも泣けるような感動があることを知らない。もったいない」と。
 
K・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーの話を聞いていると、音楽というものは、本来は開放的で人間の本能に訴えるものだということが再確認できます。
K・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーにとって音楽は食事と同じで、種類が多いから楽しめるのだと。
洋の東西があって安いものも高いものもあるけど、それを気分で選ぶのが楽しいのだと。
聴いたり演奏したりする仲間によっても音楽を変えることができるのが贅沢な楽しみだと。
「子供と行くのにホテルのフレンチはない。ファミレスの方が楽しい。子供をオペラに連れて行ったら寝てたし。嫁とはホテルのフレンチもいいけど。だけどうちは手軽なイタリアンが好きなんだよ。もし、のっち(Perfume)と行くなら……って悩んでるのも楽しいもんな」と笑っていました。
K・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーは私と同じく、Perfumeののっちが好きです。

K・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーからすれば、Perfumeの歌唱力をどうこう言うのはマックでハンバーガーを作っているバイトの料理の腕をどうこう言うのと同じだそうで、「意味がない。だって手軽なのがいいんだから」と見事に割り切っています。
「だけど世の中には極上のハンバーガーもあったりするよな」とおれが言うと、「そうそう、それがまた美味いから病みつきになる」と嬉しそうにしていました。
 
クラシックからパンクまで演奏したり聴いたりするK・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーの影響をもろに受ける彼の子供たちは、果たしてどう育っていくんだろう?と思ってると、いつの間にか話は演劇と映画に移っていきました。
 
K・ダズ・イット・オフェンド・ユウヤーは演劇や映画の見方も独特なのですが、長くなってしまったのでここまで。
 

 
 
 
 
 
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