2014年3月15日土曜日

最高のラブソング

YOKです。
UKパンクを代表するバンドのひとつ、The Buzzcocksの“Ever Fallen In Love?”。
これはパンク史、いやロック史に残る名ラブソングです。
いつ聴いても胸キュンなんだけど、それはメロディだけじゃなく、実は歌っていることがゲイからノンケへのラブソング、絶対叶わないラブソングだったから。
 
you spurn my natural emotions
you make me feel I’m dirt
and I'm hurt
and if I start a commotion
I run the risk of losing you
and that's worse

 
君は僕の心を掻き乱す
君は僕は不純にさせる
僕の素直な感情を出したら
僕は君を失うかもしれない
それは最悪なこと

 
セックスのことを匂わせると、好きだった彼女が自分のことを嫌いになるんじゃないかというのは普通の青少年がよく考えることですよね。
ここまでは普通。
でもサビが普通じゃない。
 
ever fallen in love with someone?
ever fallen in love?
in love with someone
ever fallen in love? (love...)
in love with someone
you shouldn't've fallen in love with

 
もう絶対恋なんかしない
恋をしちゃいけない相手と

 
うーん、完全にマッキーのサビですよね。
なぜかというと……
 
I can't see much of a future
unless we find out what's to blame
what a shame
and we won't be together much longer
unless we realize that we are the same

 
僕たちには未来がないんだ
この恥ずかしいことを、2人して間違っていると言うか
それとも僕たち2人が同じだと認めるしかないんだ

 
なんて悲しいのでしょう。
自分を全否定。
こんなこと、ストレートの人間はそうそう考えません。
 
そう、この歌の主人公はゲイです。
もう恋をしない、何回も書くけど悲しい。
ゲイの人は全体の1割、大体初恋はノンケに恋をして儚く散っていく。
ロックはこういうマイノリティの人たちのこともずっと歌ってきました。
今はケイティ・ペリーみたいに「女の子とキスしたい」と歌ってビッグヒットになる時代だけど。
 
パンクというとマッチョの音楽と思われそうですが、初期の頃にはこういったマイノリティを支える歌が多かったのです。
パンク自身マイノリティだったし、そんなパンクを支援した人の中にはマイノリティの人たちも多かった。
最近はカミングアウトする人も多いですが、新しい文化の始まりにはあまり表に出てこれない人たちのサポートがいつもあったということをおれたちは忘れてはいけないと思います。
 
中学の時、クラスが30人いたとしたら、3人がゲイだった可能性があります。
気付いていましたか?
おれはこの歌を聴く度に、子供時代にそういった人たちが傷つくことを言ってなかったかと胸が痛くなります。
 
でもゲイの人たち、初期の頃は悲しいけど、ゲイとして開花した後はゲイ同士好き勝手にやりまくって羨ましいですよね。
勿論その裏には、結婚できない、子供が持てない、社会的に認められないとか色々あるけど、若い頃のゲイの人たちの実らない恋の歌は、おれたちノンケの心に強く響くのだ。
 

 
 
おまけ:
現代のEver Fallen In Love? The Menの“Open Your Heart”
とてもかっこよい。
 

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