2013年12月22日日曜日

REACH FOR THE MOON


2002年12月22日、ジョー・ストラマーが自宅で静かに息を引き取りました。
犬の散歩から帰ってきて、ひっそりと逝った。
それはロックスターを拒否してきた彼らしい、あまりにも静かな死でした。
その年はおれたちクラッシュファンにとって、ちっともハッピーじゃない、あまりにも悲しいクリスマスになりました。
2002年の世界は1977年よりもずっと悪くなっているのかもしれない気がして、きっとそんなおれたちのためにジョーはロックンロールの世界に帰ってきてくれたんだ。そんなことも思っていました。
ジョー・ストラマーという男の歌にどれだけ勇気をもらってきたのか、改めて気付きました。
おれがあとどれくらい生きていくのかわからないけど、これからは自分で勇気を出すしかないのだ。いい大人なんだしね。
そう思いながら生きています、YOKです。
 
ジョーは、1999年のフジロックから2002年の朝霧ジャムまで、毎年のように来日して演奏してくれました。
彼がいつも抱えていたのは、クラッシュ時代から愛用していた、ボロボロになってもう何色なのかもわからないようなテレキャスター。
99年の来日時のギターマガジンで彼のギターが紹介されていたけど、その写真を見るたびに、なんだか泣きたくなってくる。
偉大なロックシンガーというより、金がなくてギターが買い替えられない、売れないバンドの友達みたいだ。
 

早いもので、今日であれから11年になります。
おれの心の中にはいつもあのボロボロのテレキャスがあって、ヘイ、こんな風にボロボロになるまでやってみろよ、と勇気をくれる。
 
ジョー・ストラマーという人は、ロックスターではなかった。
呼ばれてもいないのにフジロックに来て酔っぱらってた、ちょっと変なおっさん。
最高にいかしたボーカリスト。
最高にかっこいいギタリスト。
最高に熱いパンクス。
 
「月に手を伸ばせってのがおれの信条なんだ。たとえそれができなくてもね。その方がよっぽどましだよ」
 
Joe Strummer R.I.P.

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